人間は何もない自分に耐えられない。そろそろ傷を癒す時です。
最近、人を見てつくづくしみじみと思うことがあります。
人間って、自分に何もない、っていうことに耐えられないんだな、って。
頑張って頑張って、家族や仕事や車や家やお金やその他のステータスを手に入れる。
そうすると、”自分は何者でもない、劣った人間だ” という痛みを覆い隠して、
痛みを感じなくすることが可能になる。
でも、ある時、それらを失ってしまった途端、覆い隠していたものがなくなって、
その傷口がさらけ出されてしまう。
”自分は何者でもない、劣った人間だ” という傷が ヒリヒリヒリヒリと空気に晒されて痛み出す。
そしてまた、傷口を覆い隠すために、新しいパートナーや、新しい仕事、物、ステータスを手に入れる為に必死に頑張る。手に入れると、傷は覆い隠されて、またしばしの間痛みを忘れる。
しかし、次にそれらを失った時、また傷が痛むのだ。その痛みはだんだん前よりも大きくなる。
誰も傷を治そうとはしない。覆い隠そうとするだけだ。
家族やお金や地位を失ったから、傷ができたのではない。
”自分は何者でもない、劣った人間だ” という傷は 最初からその人が持っていたものだ。おそらく幼少の頃に出来た思い込みなのだ。それ以来ずっと持ち続けている傷。
だから、傷さえ癒してしまえば、何を失おうがその人はもう痛みを感じることはない。。
痛みを感じることがなくなったら、もう何かで覆い隠す必要もない。
その時にこそ、本当に自分の欲しいものに向かってゆけるかもしれない。
そこからは、覆い隠すもの、ではなく、本当に自分の欲しいものを手に入れるために頑張ってゆけるから。
だから、もしあなたが今全てを無くして、自分には何もないと思って苦しんでいるのなら、それはきっと、やっとその傷を癒す時が来たということです。そしてその傷から自由になれるんです。
そんな人を手伝えたら、どんなにいいだろうかと思う今日この頃。自分が通ってきた道だから、できるような気がするのです。